3失点した湘南ベルマーレのゴールキーパー秋元陽太が叩かれてるみたいだけど実際に責任があるのか分析してみた。
三失点した秋元が一部ネット上で叩かれてるようなので見直してみました。
動画や画像見て思ったことも書いてあります。
【ハイライト】湘南ベルマーレ×浦和レッズ「明治安田生命J1リーグ 1st 第1節」 - YouTube
一失点目
1分34秒~
ゴールキーパーは出たらボールを触らないといけません。
ゴールを開けて飛び出しているわけですので。
これに関しては秋元のミスです。
ゴールキーパーに準備について
二失点目を見る前にゴールキーパーの準備について解説します。
覚えておいて欲しいのが、取れそうなボールを取れなかったからダメなキーパーだよね、ということは誰にでもできるということです。
意識して欲しいのがその事象が起こる前にゴールキーパーがどんな準備をしたかということです。
ゴールキーパーの準備が間違っていたり、そもそも準備ができなければサッカー素人でもノイアーから得点を奪えます。
以前この記事でも書きましたがGKのポジショニングについて今一度解説しておきます。
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真正面から見た場合ゴールキーパーの正しいポジションはここです。
(ゴールエリアから出てしまっていますが分かりやすくするためです)
左右のどちらにもシュートするスペースがありませんね。
これが例えば
こんな風にポジショニングしていたら左側にシュートを打つだけで簡単にゴールが決まりますね。ノイアーがこんなおかしなポジションをとってたら僕でも点が取れます。
ゴールキーパーはボールとゴールを結んだ中心に立つことでどちらか一方にスペースを空けないようにしなくてはなりません。
またどのくらい前に飛び出せばいいのかというのはGKの能力によって変わります。
あまり前に出すぎるとループシュートなどで頭の上を越されてしまいます。
でもノイアーのように背が高く身体能力が高いゴールキーパーがゴールの前にへばりつくポジショニングは得策ではないでしょう。
全然圧力を感じませんし、左右のスペースがガラ空きですよね。
また、左右どちらのシュートにも対応するためには重心を左右均等にかけなければいけません。
どうやらキャッチング講座の画像のようですがわかりやすのでこれでいいです。
体の中心から左右の足の幅が一定で均等に重心がかかっています。
これが左右どちらかに重心がかかっていれば当然重心の逆側に飛ぶことはできません。
①ゴールキーパーはボールとゴールを結んだ中心に立つ
②左右に均等に重心をかける
これを目まぐるしくボールが動く試合中に的確にできるかが良いゴールキーパーか否かの重要な要素なのです。
二失点目
2分25秒~
【ハイライト】湘南ベルマーレ×浦和レッズ「明治安田生命J1リーグ 1st 第1節」 - YouTube
横からだとわかりにくいのですがポジショニングは間違っていません。
この角度ですので本当に細かいところは分からないのですが。
これが浦和の選手にスルーをされた時点です。
ここでスルーをされてボールが動いたためポジションを取り直す必要があります。
コバショウがブラインドになってよく見えなかったはずなのですが、わずかに体の向きを変え対応しようとしています。間違った動きはしていません。
やはりポジショニングは間違っていませんね。スルーされたあとにパニックを起こさず冷静に対応しています。
ただし惜しむらくはプレジャンプ。
プレジャンプとはゴールキーパーの予備動作のことで、その場で小さくジャンプをすることです。
みなさんもつま先に重心をかけてその場で軽くジャンプしてください。
左右均等に重心がかかる感覚や体勢が整う感覚がありませんか?
タイミングを取りやすくするという効果もありますかね。
ただしこのプレジャンプには弊害があります。
“世界基準”のGKが行う周到な準備|コラム|サッカー|スポーツナビ
――バイデンフェラーは両足を小刻みに踏み込みながら前進して、ロッベンににじり寄っていますね。相手のシュートに対して、一度沈み込んで小さくジャンプをしてタイミングを合わせる、いわゆる“プレジャンプ”をしていません
プレジャンプは、小さくジャンプをして空中にいる間は左右に動けないので、反応が遅れてしまうことがある。この場面では、バイデンフェラーが両足を小刻みに踏み込んで、いつでも反応できる準備をしながら、
ジャンプしている間は動けないんです。(当たり前ですが)
ベルマーレの育成のゴールキーパーコーチで名ゴールキーパーを輩出しているジョアン・ミレッ氏もプレジャンプはしないほうがいいと言っています。
(FOOT!かFOOTBRAINで話していました)
これを踏まえて秋元の画像を見てみると、シュートを打たれている途中にも関わらずまだプレジャンプの途中です。
これが唯一のミスですね。
逆に言うとこれ以外にミスはありませんでした。
で、これをもって秋元がJ1レベルのキーパーでないかというとそれは違います。
Jリーグでも海外でもプレジャンプの癖がついているキーパーはたくさんいますし、それでタイミングをずらしているパターンは非常に多いです。
秋元は大きなプレジャンプをするタイプの選手ではなくむしろズレは起きにくい選手です。
なによりそれまでの準備は素晴らしかった。
失点という結果だけを見てむやみに批判するのはかわいそうでしょう。
三失点目
2分43秒~
【ハイライト】湘南ベルマーレ×浦和レッズ「明治安田生命J1リーグ 1st 第1節」 - YouTube
まず見て欲しいのがこのシーン。ペナルティエリアに入るか入らないかのシーンで左手でマークの指示をしています。
これ以上侵入されたらマークを確認する余裕はないでしょう。正しいタイミングだと言えます。
今度はキックの瞬間にプレジャンプもしていません。
ボール保持者に体をしっかり正対させ、構えも綺麗ですから重心も問題なさそうです。きちんと先ほどのプレーから修正していますよね。
ここで考えてほしいんですが秋元は先ほどマークの確認をしたわけです。
きちんと人につけていましたが最後に微調整をした感じです。
本当に考えて欲しいんですが
ここまできたら味方を信じてシュートに集中する!
ペナルティエリアに侵入されてシュートもクロスもある状態でマークの確認が出来ているんですから味方を信じてシュートを防ぎに行くんです!
そこでゴールキーパーから一番遠いファーサイドにクロスされてシュートされちゃったら仕方ないんだよ!
っていうかむしろよく触ったわこれ!!!
実はこの三失点目の批判が多かったのでこの記事を書きました。
見た瞬間に腹が立ってしまって書こうと思いました。
こんなんでダメキーパーの烙印押されたら秋元がかわいそうだわ。
クロスされたあとのステップもちゃんとしてると思いますよ。
画質が汚くてよく見えないですけれど。
ゴードン・バンクスの伝説のプレー
この動画の1分50秒あたりのセービング。
ゴードン・バンクスのプレーですがこれが伝説のセービングといわれる意味はゴールキーパーにとって非常に難しいファーサイドへの揺さぶりにポジションを乱さずに対応し、さらにあの難しいシュートをゴールに決めさせなかったところにあります。
ゴールキーパーにとってこの揺さぶりは本当に難しいものなんですよ。
Gordon BANKS - christinayan - YouTube
秋元の三失点目はこれと寸分たがわず同じというわけではありませんが「非常に難しいプレー」というのを知っておいて欲しいんですよ。
なんか触ってたしミスじゃん。
みたいなのはほんとやめてほしいです。
結局J1レベルのゴールキーパーなの?秋元は
秋元がJ1レベルのゴールキーパーなのか気になるところだと思いますが、今はJ1のスピードに戸惑っている感じではっきりとは分かりません。
ただマリノス出身のゴールキーパーの特徴である基本技術の高さが秋元には備わっています。キャッチングとか本当にうまいですよ。
背が高くないのでクロスへの守備範囲に課題を残しているとは思いますが総合的なレベルはJ1のキーパーと遜色ないと思います。
この間の三失点を一番悔やんでいるのは秋元自身だと思いますが、自信を失わずプレーし続けていれば必ずJ1レベルのキーパーだと周りに認めさせることができると思っています。
だからがんばれ秋元陽太!!秋元は絶対いいキーパーだから自信を持っていいんだ!